認知症予防にも効果がある社交ダンス

今回は認知症予防にも効果があるという視点からダンスの魅力をお伝えしたいと思います。

認知症には「これをすれば防げる」といった方法は現在のところ存在しないようですが、生活習慣を見直すことで認知症を予防できるのです。具体的な例をあげると

  1. 食事
  2. 運動
  3. 対人
  4. 知的行動
  5. 睡眠

の5つの習慣を心がけて生活すると認知症の予防になります。

塩分や動物性脂分を控える(食事)、ウォーキングやストレッチ(運動)、人付き合いをする(対人)、読書や将棋(知的)、早寝早起きして日光を浴びる(睡眠)など具体的な行動をとるようにしましょう・・といった、いわゆる規則正しい習慣というものですね。

そして社交ダンスは上記の2.運動 3.対人 4.知的行動 の3項目を満たしています。

【運動】歩くことが基本のダンス。音楽に合わせてステップを踏んでいるだけでかなりの運動量になっています。また姿勢や筋肉、ストレッチを意識することで、スポーツに匹敵する動きを知らない間に楽しく行うことが出来ます。

【対人】一人で踊るのでは無く、相手が居るダンスは社交ダンスならでは。また、ダンススタジオで先生にレッスンを受けたり、仲間に会ったり、サークルやダンスのコミュニティ、パーティーなどに足を運ぶことで対人関係をいつも育むことが出来ます。

【知的行動】ステップを覚える、カウントを数える、音楽性やリズム感を意識する。リードする側は次のステップを考えて、タイミング良く相手に伝える。フォロー側はリードを感じ、察知して動く。などなど、多くの要素を含んだ知的行動を次々とこなして行くダンスです。

こちらの三項目だけでも、認知症予防にかなり優秀と感じますが、他にもお薦め要素がありますので、整理してお伝えしたいと思います。

 

  1. メディアや論文でも注目される認知症予防に社交ダンス!
  2. デュアルタスクの要素が豊富なことが認知症予防になる
  3. 幸せ三大ホルモンが活性化され認知症予防に効果的
  4. まとめ

メディアや論文でも注目される認知症予防に社交ダンス!

認知症予防には、社交ダンスが認知症予防に効果があることは、2003年の医学誌【the new england jounal of medicine】に既に載っています。この論文には、ダンスとして分類されていますが、主なダンスは社交ダンスです。論文タイトルは(高齢者の余暇の活動と認知症にかかる危険度)です。アルバートアインシュタイン医大での研究では、75才以上の方469名を5年以上調べて、認知症の発症確率と、余暇の活動の関係を調べています。


 その結果 社交ダンス=0.24倍
      チェス等ゲーム=0.26倍
      音楽演奏=0.31倍
      読書=0.65倍
      ウオーキング=0.67倍
      水泳=0.71倍


他の身体的活動、更には知的活動を上回り、なんと社交ダンスが一位でした。こちらの臨床医学誌は、最も信頼と権威のある学術誌です。

一般の実験では、身体的活動よりも知的活動の方が認知症の発症リスクを下げると言われています。ただし、身体的活動の中で唯一社交ダンスだけは、知的活動よりも認知症の発症リスクが低かったそうです。認知機能の改善は、他の有酸素運動でも見られる効果です。社交ダンスではそれにプラスした刺激を得られることから、「社交ダンスは他の有酸素運動よりも認知機能の改善に効果的かもしれない」と結論付けています。その後、同じ雑誌に発表された研究でも、振り付けのないダンスをすることで、読書の2倍も認知症リスクが低下したという結果が出ています。あらかじめ振付が決まっていないフリースタイルの社交ダンスでは、次々と動きを考えながら筋肉を動かすことで定期的に複雑な信号を脳へ送り、脳が活性化するのです。

 

日本のテレビ番組でも、NHKの「ためしてガッテン」(NHK総合 毎週水曜よる7時30分)では、認知症予防に役立つ活動として社交ダンスが紹介されています。その中ででも、社交ダンスが第1位になっていました。社交ダンスしていると、認知症になる確率が0.2倍に下がるとのこと。

身体活動(認知症発症率)
1位 社交ダンス(0.2倍)
2位 散歩(0.7倍)
3位 水泳(0.7倍)
4位 子守り(0.8倍)
5位 家事(0.9倍)

 

他にも、過去には、テレビ朝日の『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』(19時~、テレビ朝日系)で社交ダンスが認知症に劇的効果があるエピソードが放映されました。社交ダンスのお陰で重い認知症から海外旅行ができるまでに劇的に回復した感動ストーリーです。若い頃に社交ダンス経験がある母親を息子がダンス教室に連れて行き、徐々に回復しステップを踏めるようになるまでを紹介し、認知症治療に社交ダンスが効果のあることを実証しました。番組の中で国立長寿医療研究センターの遠藤英俊先生は、「社交ダンスが良いのは、認知機能を高める〝運動″と〝知的活動″を同時に出来ること。さらに、踊る相手を意識して心がときめく、ということがとても脳に良い刺激になると考えられる」と解説されています。

 

 

デュアルタスクの要素が豊富なことが認知症予防になる

認知症予防には、デュアルタスクが効果的だという事が分かっています。デュアルタスクとは、一度に2つ以上のことを同時に行うことで、電話をしながらメモを取るといった動作がその一例です。

何か行動を起こすときは、その行動に関係のある脳が機能します。動作すること自体が、体を動かす脳機能を活性化させ、それに加えて課題を達成させるための機能も使うので、思考を司る前頭葉の部分も刺激されます。同時に多くの事を行うとそれだけ多くの脳の機能を同時に使うことになります。

社交ダンスは、相手と組みながら、音楽を聴き、リズムやテンポ、相手の動きを感じ、調和しつつ、ステップを繋いで行きます。レッスンが進めば進むほど、身体の使い方や、カウントの取り方、音楽の表現など、様々な要素を意識しながら身体を動かす様になって行きます。音楽に合わせてステップを踏んでいるだけなのに、とてもたくさんのことを同時に行う、まさにデュアルタスクの連続です。

 

幸せ三大ホルモンが活性化され認知症予防に効果的

最後に、社交ダンスを踊ることで「ハッピーホルモン」と称される伝達物質の中で代表的な「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」が分泌されるシチュエーションが多くなり、それが認知症予防に効果的になることをご紹介します。

社交ダンスを踊る時、脳内ではどのようなことが起こっているのでしょうか。

◆社交ダンスで絶えず行うリズム運動がセロトニン的幸福を生む

セロトニンは不安感を和らげて精神を安定させる働きがあり、心と体の健康を支えてくれます。朝目覚めたときに「今日もがんばろう♪」というポジティブで前向きな気分をもたらしてくれます。また、睡眠を導く「メラトニン」というホルモンの材料にもなり、睡眠中に免疫力を高めたり、強い抗酸化作用によって体を守ったりします。
リズムを刻む身体的活動は開始約5分でセロトニンの分泌が活性化されて、20~30分でピークを迎えます、そのため、20~30分継続して行うダンスレッスンはちょうどセロトニンの分泌を促すことが出来るのです。

 

◆パートナーと組んで踊ることや人とコミュニケーションを事がオキシトシン的幸福を生む

近年ではオキシトシンが老若男女のストレス状態を軽減させ、不安や心配などを緩和させてくれるなどといった働きがあることが分かってきました。オキシトシンが分泌されると、ストレッサーに過剰に反応していた脳をなだめて平常の状態に戻したり、脳の疲れを癒したり、気分を安定させるなどの作用があります。また、オキシトシンが十分に分泌されているとセロトニンの分泌も増えて、相互作用によりストレス緩和につながります。愛情や人とのつながりなどがあることで精神が安定します。
パートナーとのスキンシップや、人が一箇所に集まってコミュニケーションを楽しむことによってもオキシトシンが分泌されやすくなるため、まさに社交ダンスはそのような状況の中に身を置くことが出来ます。

 

◆楽しんだり、褒められたり、目標を達成したとき、ドーパミン的幸福を生む

ドーパミンが放出されて快感を得ると、脳がそれを学習して、再びその行為をしたくなります。さらに大きな快楽を得ようとして努力をするようになり、やる気を出してくれるのも役割の一つです。社交ダンスを踊ることで、人生に張り合いや目標を見いだしてくれる効果が脳の老化を防いでくれるという訳です。

 

まとめ

如何だったでしょうか?社交ダンスが認知症予防に効果的ということをさまざまな側面から見つめてみました。人生100年時代といわれるようになった現代、どうせ長生きするのなら脳も心身も元気で朗らか幸せに過ごしたいものです。認知症予防は40代からがよいと言われています。もちろんもっと早くからでも色んな楽しみ方が出来ますので、ぜひ社交ダンスにチャレンジしてみてくださいね。ダンスが未経験でもASダンススタジオの明るくたのしい講師陣がやさしく丁寧に教えます^^

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執筆者

水田麻里子

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